アルミの番手と特性
こちらの記事は、溶接に適したアルミの種類についての内容になります。
前述の通り、アルミは金属の中でも溶接が難しい材質の一つです。
この記事では、①アルミの基礎知識 ②アルミの種類 ③溶接に適したアルミについて書き記しております。参考までにご覧いただけますと幸いです。
アルミの基礎知識
こちらの記事はアルミの基礎知識についてを説明しています。
まず、アルミが何で出来ているかご存じですか？
発見されたのは1807年イギリスの電気学者が発見しました。
アルミは、酸化アルミニウムを主成分とし赤色の鉱石ボーキサイトから生成されています。
左側に鉱石の写真がありますね。これが鉱石ボーキサイトです。
次は特徴をご紹介します。
【軽い】【熱伝導】【強い】【毒性が無い】【加工性】【環境に優しい】など様々な性質を持ってるアルミ。
その特性を生かし私たちの生活で日常的に使われています。例えば【車】【鉄道】【航空機】
もっと身近な物で言うと【フライパン】【ジュ－ス缶】【1円玉】
アルミ缶リサイクル率は約97％で缶から缶へ何度でも生まれ変わる事が出来ます。
アルミの種類
アルミの種類は一体いくつあるのかご存じですか。
代表的な物を紹介致します。
【純アルミニウム・1000】 こちらの特徴としては【溶接性】【加工性】【伝導性】に優れています。 使用例としては装飾品や放熱材、容器等です。
【AI-Cu系合金・2000】 こちらの特徴としては【機械的性質】【切削性】【強度】に優れています。 使用例としては航空機部品や機械部品、運送機器等です。
【AI-Ｍn系合金・3000】 こちらの特徴としては【加工性】【溶接性】に優れています。 使用例としては、日用品や住宅外装等です。
【AI-Si系合金・4000】
こちらの特徴としては【融点】【耐摩耗性】に優れています。
使用例としては、溶加材、ろう材等です。
【AI-Ｍg系合金・5000】
こちらの特徴としては【強度】【溶接性】に優れています。
使用例としては、船や車、電車等です。
【AI-Mg-Si系合金・6000】
こちらの特徴としては【耐食性】【加工性】に優れています。
使用例としては、サッシ等です。
【AI-Zu-Mg系合金・7000】
こちらの特徴としては【最も高い強度】に優れています。
使用例としては、新幹線の車両、航空機部品等です。
これだけ沢山の種類があるのは、用途に合った物を使い分けて安全に使用する為です。
溶接に適したアルミ
一概に溶接がしやすい、溶接しにくい。と言っても【加工性】が優れていた方が良いのか、【強度】に優れていた方が良いのかで考え方は違ってきます。こちらでは例として３つを取り上げていこうと思います。
【加工性】…【純アルミニウム・1000】【AI-Ｍn系合金・3000】【AI-Mg-Si系合金・6000】
加工がしやすい反面、耐食性が劣ります。ただし用途に合った金属を使う事によって軽減されます。
【強度】…【AI-Zu-Mg系合金・7000】【AI-Cu系合金・2000】【AI-Ｍg系合金・5000】
こちらも上記同様強度はありますが、耐食性が劣ってしまいます。
【耐食性】…【純アルミニウム・1000】【AI-Ｍg系合金・5000】【AI-Ｍn系合金・3000】
淡水には【AI-Ｍn系合金・3000】海水には【AI-Ｍg系合金・5000】など耐水性が異なります。
まとめ
アルミの知識
・酸化アルミニウムを主成分とし赤色の鉱石ボーキサイトから生成されている。
・私たちの身近な物に沢山使われている。
・軽さや強さに優れている。
アルミの種類
・1000番～7000番まである。
・強さに優れているものや加工性に優れているもの、それぞれ適したアルミがある。
溶接に適したアルミ
・加工のしやすさでみると1000番、6000番
・強度が優れているものは7000番、5000番
・耐食が良いのは1000番、5000番
様々な観点からアルミの溶接は非常に難しい事が分かります。
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