チタン加工と特徴

こちらの記事は、チタン加工と特性についての内容になります。
①チタンの基礎知識 ②チタンの種類 ③チタンの加工方法。
について書き記しております。参考までにご覧頂けますと幸いです。

チタンの基礎知識

まず、チタンが何で出来ているかご存じですか?
1790年イギリスでチタンの金属元素を発見し、1795年にドイツの科学者が鉱石の中からチタンを発見しました。
次は特徴を紹介します。
【軽い】【強い】【錆にくい】【無害性】【不燃性】様々な性質を持っているチタン。
その特性を生かし、私たちの生活で様々な場所に使われています。
例えば【音響機材】【航空機】等 
チタンには、耐アレルギー性があり、私たちの健康を守る医療品にも使われています。
【ペースメーカー】【医療用器具】等
半永久的に劣化をしない為チタンは、100%リサイクルが可能な金属と言われています。

チタンの種類

チタンは大きく分けて【純チタン】と【チタン合金】に分類されます。それでは、純チタンからご説明します。
【純チタン】…JIS1種、JIS2種、JIS3種、JIS4種があります。鉄と酸素の含有量で変わっています。それぞれの特徴をご紹介します。

【純チタン・JIS1種】
特徴は、プレス加工や絞り加工、溶接等、加工性が優れている事です。
使用例はチタンコップ、キャンプ用品等です。

【純チタン・JIS2種】
特徴は、溶接、耐食性、1種よりも強度が優れています。
使用例は、科学工業用機械等です。

【純チタン・JIS3種】
特徴は、2種よりも強度が優れている事です。
使用例は、海洋プラント等です。

【純チタン・JIS4種】
特徴は、純チタンの中で最高の強度がある事です。加工性は1番劣ります。
使用例は、建造物等です。

強度は4種が良く、加工性は1種が高い。 
高層ビルや歴史的建造物にもチタンは使われています。

【チタン合金】…α型合金、β型合金、α+β型合金(α-β型合金)があります。それぞれの特徴をご紹介します。

【α型合金】
分かり易く言うと、チタン+アルミニウムがα型合金です。
強度があり、高温でもクリープ(変形)しない、じん性(粘り)が優れている等です。

【β型合金】
分かり易く言うと、チタン+酸素+水素+バナジウムがβ型合金です。
合金の中で強度が1番優れています。

【α+β(α-β)型合金】
中程度の強度と、じん性に優れています。

チタン合金の使用例は、【航空機エンジン】【医療用器具】【音響機材】【ゴルフ用品】【釣り具】等で
身近なものに使われています。

チタンの加工方法

まず、チタン加工の難しさとは何でしょうか?
・変形抵抗が大きい(クリープ)
・熱伝導が悪い
・金属活性(水、酸と反応し容易に溶解する)が高い
・ヤング率(弾性)が小さい
この4点が難しいとされる理由になります。

次は、加工方法を3つご紹介致します。
【切断】
切断する主な方法
・レーザー加工
・ワイヤーカット加工
材料を溶かしながら、加工をしていきます。 
チタンは強度が強いのでレーザー加工など、非接触加工が主流です。

【曲げる加工】
・プレス加工
弾性が高い為、圧力を加える際は慎重に調節をしなければ割れてしまいます。
高い技術力が必要になります。

【溶接】
・TIG溶接
・MIG溶接
・電子ビーム溶接
金属活性が高い為、水や酸に反応し脆くなってしまいます。
チタン加工で一番難しいと言われています。

まとめ

チタン基礎知識
・1790年~1795年頃見つかった。
・【軽い】【強い】【錆びにくい】【無害性】
・医療器具にも使われている。

チタンの種類
・大きく分けると2つ、細かく分けると7種類ある。
・強度が良いものや、加工性が良いもの、性質によって使い分けが必要。

チタン加工方法
・【切断】【曲げる】【溶接】
・プレス加工や溶接による加工は、チタンの性質により脆くなってしまう事がある。

上記の理由でチタン加工には高い技術力が必要だと分かります。
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